moi moi moi !!

愛猫モイ(mix 2015.4.8~ ♂去勢済)が消化器型リンパ腫と診断されたのは2017年が始まったばかりの冬、1歳9ヶ月の時でした。その日から一変したモイとの生活、闘病と友情の日々。

2017年7月24日に当ブログを開設しました。それ以前の約半年分はinstagramの記事を一部加筆修正し転載しています。写真や文章の一部にまだ不備があるかもしれません。これから整えていく予定です。どうぞよろしくお願いします。


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モイの尻尾と右手の手術からほぼひと月。
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右手は剃った毛が伸びきってない分ほんのり赤く見えるけど縫合傷跡は早々に綺麗になくなっていた。
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尻尾の方は減張のために開けた左右の穴が先に閉じていて、座った状態で床に面していた抜糸後の縫合跡のかさぶたが最後に残っていたけど、今朝裏返して確認したらかさぶたも取れて綺麗になっていた。これをもって完治とする!

毛が伸びて元の太い尻尾に戻るまでにはまだだいぶかかると思うけどその過程も楽しんでいきたい。というわけで、沢山のアドバイスや応援、見守っていただいた皆さま、快気祝いとしてこのコラボ写真をお納めください。
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東京の桜は満開
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モイとウニにも春が来た!
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ようやくこの日がやってきた。当初術後2週間ほどで抜糸の予定だったがその頃は世界獣医がん学会の開催期間で先生方が忙しかったため、このタイミングになった。

前回術後一週間の通院時点でモイは既に右手の糸を噛み噛みしてゆるくしていたので、「抜糸の日までにひょっとしたら自分で抜いちゃうかもですが、、」と先生に言うと、「まあそうなったらなったでセルフ抜糸しても問題ないですよ」と仰っていたのだけれど、案じた通りにその翌日から1本早速抜いて、ちょうど今朝また2本、右手4本の糸を全部セルフ抜糸してしまった。幸い右手の術部はきれいに塞がっていて毛を剃っているからかほんのり手の甲が赤く見えるくらいの状態なのでなんら問題はなさそうだ。尻尾の3針分の糸は今日までしっかり残っている。
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夜中から続いた雨は家を出た午後3時過ぎも激しく降り注いでいた。「雨降って地固まる」というからモイの右手も尻尾もこれで綺麗に塞がってくれたらいいな。
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いつも明るい看護師さん達で賑やかな病院も今日は人手が少なかったようだ。
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抜糸ってどうやってするのかなと思ったら、そのまま診察台で妻が保定して今日はエリザベスカラーもなしに先生がハサミでチョキチョキと切り出す。当然モイは怒って先生を威嚇するので自分がモイの顔の前で抜糸できるまで必死にモイをなだめる。だから抜糸の様子はまったく見れなかった。
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おまけに終わり際にモイからパンチを浴びてしまった。「パパやんか〜」となだめる。すぐパニックになって長年付き添った家族でも見分けがつかなくなるのが猫との関係。綺麗なシャボン玉のように夢を乗せ浮かんでいるが一瞬にして消えてなくなる儚さ。

2分くらいで抜糸は終了、減張のために開けた左右の穴はもうちょいで塞がりそう。糸を抜いた際に術部のかさぶたが取れたので今日はちょっと血が滲むかもと軟膏を塗ってすべての治療が終わった。

今回セカンドピニオンでT先生にお願いすることになり、たいへんお世話になった。しばらくはお会いする機会もなくなるかもしれないので深々とお辞儀をしていると、「肥満細胞腫はまたできると思います。一個できる子はたいがいまたできる。なのでそれは早いうちにちゃちゃっと取っちゃう方がいい、なのでまた何かあたったら相談してください」と先生。ほんとによかったな。断尾せずに済んだことはもちろんだけど、何よりいい先生とつながることができて今後のことを思うととても心強い。
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帰路、妙にテンションが高くずっとニャーニャー鳴くモイ。雨の日も、雷の鳴る日も、桜の咲く季節も、紅葉の季節も、ずっと一緒に旅して来たモイ。僕も経験したことのない薬や手術も逞しく乗り越えて来た。誰よりも経験値を積んだモイ。
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ウニも一緒にこれからもみんなで乗り越えていこう。
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朝7時ごろ起きて今日こそはあるだろうとモイがいつも便をする位置(トイレ横の床^_^)を確認するもウンチはなし。えー、もう3日半も経つのに〜、これはただごとではない、とあせったが、妻が起きて来て開口一番「モイちゃんウンチしたよ」と吉報を。排泄物専用カメラをプレビューすると午前4時40分良いウンチがこんもり映っていた。ほっとした。実に84時間ぶり。術後の飲み薬や嘔吐、過敏症などの体調不良、くわえて一週間しか経っていないのに2度通院しているモイ、そりゃ調子も狂うよね。快食快便、今後も健やかに営まれるようにケアしていきたい。

さあ今日は病理組織検査の結果を聞きに行く日。本来ならモイは同行しなくてもいいのだけど、術部の経過もあるし、昨日からの流れでやっぱりT先生にひと目でも診てもらった方がよいかなと思い、連日のドライブとなった。
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大きな川を渡るモイ

車中で過ごす1時間もすっかり慣れたモイ。普段通院時のBGMにしている「子猫のロンド」だけでは尺が足りず、漫画家のくるねこ大和さんから「エンドレスに通院時BGMにすると猫に効く!」とお薦めされた「モイカウニカ」をツイカで流す。それにしても花粉がピーク。空調を室内循環にして締め切った車内でも強烈にムズムズしてくるの何なん?!
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「モイちゃん」と待合室に順番を告げに来たT先生が、妻が持つにはやや重いモイが入ったキャリーバッグを自ら持って診察室へ運んでくれた。診察台では先生にウーウー唸り声をあげ、たまにシャーもお見舞いするモイだが、「これだけ怒れる元気が戻ったってことですね〜、よかった〜、かわいい!」と笑顔の先生。

昨日電話で叱られるかたちになった薬の飲み合わせのことを改めて注意された。「ステロイド系と非ステロイド系の併用は絶対ダメ。胃に穴が開く。下手したら命を落とす」とさっきまでの猫なで声とは正反対。

「結果出てます。」と病理組織検査報告書がテーブルに置かれる。「病理組織診断 右前肢:肥満細胞腫 尾部:毛芽腫」と書かれていて細胞診での結果と同じだった。ここまでは想定内。

問題は手術で完全に根こそぎ腫瘍を切除できているかどうか。赤い2つの顕微鏡(?)写真が添付してあるが素人目にはパッとみてそれが分からない。その下に解説文があるが、先生が先に説明してくれる。「OKです!」「わ、よかった、取れてたってことですか?」「そう」と言いながら手のしこり画像の濃い赤と薄い赤の境界線にボールペンで線を引きながら「この濃い部分ががん、こっちがフリーマージン」と正常組織の余白を残した状態で切除されていることを説明してくれた。「尻尾はギリですけど良性腫瘍だからOK!」と、確かにもう一枚の画像は赤く丸い腫瘍部分がギリギリまで広がっていたけど皮一枚分くらい薄い部分があった。「これに関してはこれで終了!」と先生。

ほっとした。かかりつけ医で尻尾のしこりが腫瘍なので断尾か部分切除かと突然選択を迫られてからひと月ちょい。まだ抜糸は残っているが、ようやく決着がついた。

ただ肥満細胞腫は転移とかでなくてもまたできるかもとのこと。それは体質的なものだそうだ。これからもいくつかできるかもしれないが直径1.5cmになる前に逐一取っていけば命に関わることはないと。今回の手のようにデリケートな場所でなく、背中などの場合は局所麻酔で取れることもあるらしい。
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帰路の1時間は安堵したからか猛烈に長く感じ疲れた。キャリーバッグの中のモイの方がむしろ平然とした表情。モイ、何度も何度も通院と治療がんばってくれてありがとね。これからも健やかに長生きしよう。
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ウニもいつも留守番ありがとう。モイ兄ちゃんが元気になったらまた追っかけっこしようね。
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モイの吐きはひとまず治まっているものの15日の朝になっても気になることがあった。ひとつは術後1週間服用中の抗生剤リレキシペットを飲むとどうも気持ち悪そうにしておとなしくなってしまうこと。前日の激しい吐きも抗生剤服用後にはじまった。ひょっとして今回の一連の吐きは膵炎の再燃とはまた違う要因によるのかな。もうひとつは便が丸3日出ていないこと。吐いたりあまり食べていないとはいえ、そろそろ出てもおかしくない頃なのに。

明日、病理組織検査の結果を聞きに行く際にモイの術後の経過を見せるために連れて行くべきか今日中に術部の写真を送って先生の判断を仰ぐことになっていたので、まだ朝早かったけど写真をメールに添付して送った。その時にここ数日のモイの吐きやそれに対して投与した薬のこと、便が出ていないことなどを書き添えた。そしたら先生からすぐ折り返しの電話があった。あろうことか着信に気づかずに3回もリダイヤルしてくれたみたいだ。

先生いわく「与えた薬の掛け合わせがとても悪いのですぐにホームドクターに診てもらった方がいい」とのこと。術後毎日飲んでいる消炎鎮痛剤メタカムと吐いた時に頓服として飲ませたプレドニン(ステロイド)の掛け合わせがよくないそうだ。プリンペランも下痢を助長すると。生憎、かかりつけ医のWebサイトの予約フォームが今日はすべて埋まっていたので、「明日病理組織検査の結果を聞きに行く際にモイを連れて行くのでそこで診てもらってもいいですか」と言うと、電話の向こうから「明日はもちろんですが、僕が話しているのは今日の話です!モイちゃんがそのまま体調が悪いままだと、ひょっとしたら腎臓なども痛めてしまうかもしれないので、僕からもホームドクターに連絡しておきますので、なんとか診てもらってください!」とやや強めの口調で言われた。

まさか、そんなによくないことをしてしまったのか、、猛烈に反省した。服用中の薬がある時にやっぱり素人が違う薬をむやみに併用するのは危険だということを。
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改めて電話でかかりつけ医に連絡を入れるとありがたいことに昼休みに診てくれることになった。モイもベッドに隠れ損なうほど急に身支度してすぐに車を走らせる。ほんと通院ばかりの猫生になってるモイ。

とっても今更だけど、分かりづらくなるのでホームドクターのことをO先生、セカンドピニオン先の今回手術を仕切ってくれている先生のことをT先生と書くことにします。

セカンドピニオンの打診をしに来た時以来に合うO先生。先ずは「尻尾切らずに済んでよかったですね」と。手術やその後の経過、今日ここに来た理由もすべてT先生から既に連絡があったそうだ。なんという迅速さ。ありがたく涙が出るほどうれしい先生方の連携よ。O先生はオペを担当した腫瘍外科医の先生のこともご存知のようで、「豪華ですね」と言いながら減張切開された尻尾の術創を見て「綺麗ですね」と流石といった表情。それほどの名医に手術してもらったんだと改めて頭が下がる。
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「膵臓の炎症にステロイドは効くんですけど、胃腸の粘膜がダメージを受けている時はさらにダメージを与えることがあります。さらにそこに痛み止めのメタカムが乗っかると十二指腸潰瘍みたいになることがあるので、とにかく飲み合わせには注意した方がよい」とO先生にも窘められてしまった。

改めて僕がここで書いていいる治療のことは先生方の受け売りをベースにしたものがほとんどですが、あくまで素人の発言であるので、間違った解釈や勘違い、思い込みも多々あるかと思います。ここをご覧のみなさんもその点了承した上で読んでもらえたらと思います。

そういうわけでひとまず吐きへの対策として整腸剤と制吐剤を挟んだ皮下輸液を施してもらって病院を後にした。帰宅後も夕方くらいまでは絶食させた方がよいでしょうとのこと。
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帰宅後T先生に報告メールすると「モイちゃんが落ち着いているようでよかったです(^^)」と顔文字付きの返信をくれた。うーん柔軟過ぎる先生。

モイは手と尻尾の術部を気にすることはほとんどなくなり、吐きも落ち着いてだいぶ元気になっている。ただこれを書いている夜22時半現在、いまだに排便がない。最後にした軟便から3日と6時間が過ぎている。過去にも何度か便が出なくなることもあったが記録更新だ。それだけが気がかり。 

オセロの盤面のように明暗が入れ替わるモイの猫生。

アンリッカラーのおかげだと思うけど昨日は尻尾を気にすることもなくなり、カラーを枕代わりにずっと寝ていたモイ。手と尻尾の疼きもだいぶなくなっているように見えた。
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ところが夜23時を過ぎて突然吐きだした。消化途中のフードだった。その30分ほど前に晩ご飯後の抗生剤を飲ませたところだったので薬が吸収されきってないかもしれない。立て続けの吐きは6回、ちょっと間をおいて2回と続いたので、これはまたいつもの膵炎の再燃かなと思い、とりあえずフードの食器をすべてさげて、腸改善薬プリンペランを飲ませてみた。でもすぐに薬ごと4回吐いた。10分くらい落ち着いたところで今度はよく効くはずの制吐剤セレニアの錠剤を飲ませてみた。なんとかこれで治まってほしいという願いもむなしく15分後にまた4回吐いた。

断続的に吐いている時に経口投与する薬のタイミングはとても難しいなと思う。なるべく早く飲ませたいけど、早すぎると一緒に戻しちゃうし、遅すぎても次の吐きの波にぶつかってしまうかもしれない。ぐったりするので絶食は必須だけど、調子が戻るとすごく食べたがったりするし、栄養をとらなすぎてもよくないだろうから、どのタイミングで食器を出すかもすごく悩ましい。

その後も気持ち悪そうにビニールをペロペロ舐めたりじっと香箱をくんで耐え忍んでいる様子だったが、かろうじて吐くことはなくなったので、フードはさげたまま夜を明かした。
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14日、今朝になってもまだ辛そうなモイ。多分、お腹で炎症が起きているのだろう。ホームドクターがプレドニン(ステロイド)を頓服的に使ってもかまわないと言っていたので、半錠だけ残っていた胃腸薬オメプラゾールと合わせて飲ませた。
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夕方過ぎまでずっと眠り続けるモイ。まだちょっと気持ち悪そうだ。

吐きもそうだが、下からの排泄も実は気になっている。術後は軟便が数回続いたのだけど、ここに来て丸2日出ていない。尿の回数も昨日と今日は1回ずつ。何かと本調子でないモイ。
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昨夜吐きはじめてからはアンリッカラーは外している。たまに尻尾が視界に入るとちょっと気にするそぶりがあるけれど一昨日のようなパニックになるようなことはなくなった。術部の赤みはかなり引いて順調に回復しているようでその点だけはほっとしているのだけど、一難去ってまた一難とはまさにこのこと。明日になっても元気が戻らなければホームドクターに掛け合ってみようと思う。
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黒が優勢の盤面だけどいつか大逆転して最後は白だらけにしようね、モイ、家族やみんながついてるよ。

 

病院で尻尾のテーピングを外してから一夜が明け、手術から3日が経った12日、剥き出しになった患部が疼き出したのか、それとも自分の尻尾の見た目が普通じゃないことにようやく気づいてしまったのか、やたらと気にするようになったモイ。ウニと同じような知覚過敏症の症状が出ている。

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背中の毛をゾワゾワっと波打たせ、後ろ脚をプルプルっと払うような仕草、振り返り自分の尻尾を追うようにクルクル回りだす。尻尾はブンブン振り回すので自分でも捕まえられない。痛いなら香箱でも組んでじっと我慢するのが猫だと思うけど、尻尾を壁などにバンバン打ちつけたりもしているので痛いのとは少し違うのかもしれない。ちょっとした疼きで違和感を感じ見た目が変なので「この細いのなんなんだ」と情緒不安定になっているのだろう。逃げるように走りだし、普段登らないキャットタワーや換気扇の上に乗っては飛び降りまた移動しベッドの下に隠れたりと絶えず落ち着きがない。久しぶりに冷蔵庫の上に登れたのも偶然ではなかったんだろう。波はあるものの疲れて寝ている時以外はちょっとしたパニック状態が続いていて辛そう。

自分を落ち着かせようとしてか身体全体を激しくグルーミングし、右手や尻尾の患部も舐めようとするのでずっと注視して止めなくてはいけない。イライラが強くなると縫った糸を引き抜こうとするし、ヘタしたら尻尾を自分で噛み切ってしまうんではないかと思うほどの緊張感がある(実際に2回も自分の尻尾を噛み切ってしまった猫の話を聞いたばかりだったので余計に心配)。

処方された1回/日の鎮痛剤は朝飲ませたところなので明朝までお預けだし、ジルケーン(ストレス改善サプリ)を2カプセル舐めさせたが目に見えるほど効いている様子はない。

今回用に仕入れておいた軽めのエリザベスカラーを付けてみたけど、余計パニックになってストレスがマックスになっているようなのですぐに外した。

一番効果があるのは膝に抱っこして優しく声をかけながら撫でること。それで一時は気が休まるようでリラックスしてくれるけど、でもそれも10分は持たず嫌がりだす。あまりしつこく抱っこしようとすると噛みつかれそうになる。

段ボールや最近ブームだったキャリーバッグに入るのが好きなので、こんな時こそ入ってじっとしてくれたらいいのに、そうもしてくれない。

夜になってますますひどくなり目が離せなさすぎて思わずインスタで意見を求めたり。 心配してくださる方や知恵を絞って参考意見をコメントくださる方がいることは、モイウニ家族にとって本当にありがたく、かけがえのないことだといつも感謝しています。

術部は見る限り順調に赤みが取れているように見えるので時間が解決してくれるものとは思っているけれど、夜遅くになってもますますストレスを溜め込んでいるようだったので、先生に名刺をもらったことを思い出し、尻尾を気にしているモイの動画と写真を添付して相談のメールを出した。

13日、手術から4日目の早朝6時半に先生から返信があった。

術部を舐め感染してしまうと治りが極端に遅くなるので先ずは舐めさせるのを止めること。そのためにはエリザベスカラー、再度バンテージを巻く、それで改善しなければ落ち着く薬を短期間処方します

などが丁寧に書かれた文章。お忙しいだろうに朝一番にしっかり神対応してくださる先生に出会えて本当によかったと思う。

メールを読んですぐに昔ウニ用にアンリッカラー(クッション素材の柔らかいカラー)を買った時にモイも色違いのお揃いを買っていたことを思い出し戸棚の奥から探しだした。
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昨日、普通のエリザベスカラーはあんなに嫌がったのに、このカラーは意外とすんなり受け入れてくれた。どうも何かバッグの中から顔だけひょこっと出しているような感覚になっているのだろうか、妙に落ち着いている。尻尾や手がほとんど視界に入らなくなるというのも大きいかもしれない。
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しばらく様子を見ているが、ご飯も食べたし、水も飲んだし、換気扇の上にも飛び乗れた。あとはトイレくらいだけど、この調子だと行けそうな気がする。
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今朝になっても、まだ尻尾を気にして走り回る兆候はあったけど、このカラーと朝の鎮痛剤を飲ませたおかげもあってか昼14時現在だいぶ落ち着いている。このまま傷口も回復して疼きがなくなっていけば、うまく乗り越えられそうな気がする。
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ウニのシャーも今日は出ていない。ペアルック作戦が成功したかもしれない。
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10日、手術翌日はずっとおとなしく寝ていたモイ。右手は歩く時や体重がかかるタイミングで痛むのか、たまにプルプルと振る仕草。軽く舐めたりもしていたがすぐやめる感じ。歩き方はほぼ正常に戻った。幸い尻尾の方はまったく気にしている様子がない。うれしい時にビリビリと尻尾を震わす仕草もいつもほどではないが少しずつやるようになってきた。テーピング部分から先は重みで垂れ下がりまだあまり動いているように見えないけどそのうち改善する気配はある。
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実は手術から日帰りした夜、モイの異変にびっくりしたウニは警戒して寝室に籠もっていたのだけど、いよいよ情緒不安定になって深夜にはモイをシャーっと威嚇するようになってしまった。最初はモイが近づいたタイミングでだったが、自らモイの様子を見に行った時も顔を近づけシャーのシャワーを浴びせる。モイの匂いが変わってしまったか、血の匂いがするのか、元気がないお兄ちゃんはいつものオーラと何かが違うのだろう。普段ならやり返すだろうモイもいじけた感じでその場を離れたりしていた。ウニナースはどこにいった?仕方ない気もするがちょっと切ない。映画「ゴールデンカムイ」の梅ちゃんのシーンくらい切ない。
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術後はじめてのモイ座りは10日夕方

11日未明、術後はじめてのウンチはこんもりとケチャップ状。何度もトイレに行ったりするわけではないのでひどい下痢ではなさそう。輸液か麻酔か薬の影響か、はたまたウェットフード中心になっているからか。

夜が明けるともうすっかり目力が戻ったモイ。右手は相変わらずたまにプルプルするが、それ以外はほぼ通常に戻った。キッチンで「なんかちょうだい」と普段通りに鳴いた。僕も泣いた。術中、気管に管を通された影響だと思うけど声は半音ほど低くなった印象だけどこれもしばらくしたら治りそうな気がする。

ご飯くれくれマンになっているわけは、また夜中から絶食させているからだ。当初11日の超音波検査を先に予約し、その後に9日の手術が決まったので、さすがに手術から中一日での通院はモイに負担がかかりそうだし精神的にも可哀想かなとキャンセルしようとしたが、「傷口のチェックをするのにもちょうどいいタイミングなのでもし体調が良さそうであれば連れてきてもらえたら」と先生からわざわざ様子伺いの電話があった10日朝のタイミングで決行することにしていた。月イチで行われているらしい外部の画像診断科の先生による往診がこのタイミングだったのも運命と考えよう。

診察時間が病院のお昼休みなので家を出るのは13時半。いつもよりたっぷり朝の時間があり、モイの「お腹空いたよ〜」「なんかくれよ〜」を受け止めるのも辛いが、人間のご飯をおやつと勘違いして背伸びしたり普段のモイが戻っていることを実感するうれしい時間でもあった。
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そんな中、気づいたらモイが冷蔵庫の上に登っていた。20240311-_DSC3574
昨夏以来登れなくなっていて、いよいよモイの老いを感じはじめていたのだけど、術後の回復がむしろプラマイゼロを通り越したのか、麻酔で何かトラウマの記憶でもなくしたのか、なんにせよちょっとうれしい出来事で思わず写真を沢山撮ってしまう。20240311-_DSC3575
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通称モイブランでちょうど右手と尻尾の傷口2か所をブランとさせるモイ。うっ血しませんように。
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1時間の通院ドライブにもすっかり慣れた家族。

外来の先生による超音波検査、これまで地元の病院でも何十回とさせてもらったようにここでも立ち会わせてもらった。仰向けに診察台に寝かされたモイの視界に家族が入ることで落ち着き方が全然違うからだ。

幅広く毛が剃られたお腹全般から脇の下までプローブを力強くぐいっと押し当て丁寧かつスピーディーに診ていく先生。肥満細胞腫が転移する可能性のある肝臓や脾臓、リンパ節などのエコー画像を次々にキャプチャしていく。手際がいい。モイはずっとウーウー唸っていたが「身体にはまったく力が入ってないので、やだよ〜くらいな感じで拗ねてるだけですね」と保定した看護師の方は笑顔。

そのままモイと一緒に診察室へ移動し今回お世話になっている先生による傷口チェック。先生の声を聞くなり猫パンチを繰り出そうとするモイ。今回もさらりとかわしながら「いつかモイちゃんを振り向かせたい。それが僕の目標」と、先生の言葉はなんだかいつも明るく深い言霊となる。

縫った右手の甲を見て「綺麗、腫れてないしとても順調ですね」と。尻尾はどうかなとテーピングをとってみる。テープの下には湿潤タイプの絆創膏が貼ってあった。術後はじめて見る尻尾の縫い目。3針縫われた患部の両脇に2ヶ所ずつ合計4ヶ所1ヶ所ずつの減張で開いた穴。米粒大かちょい小さいくらいか。まだ赤く新鮮な感じに見えたが先生は「もう塞がりかけてますね、テーピングはなしでこのままの方がいいでしょう」と消毒されむき出しの状態にすることに。病理組織検査で腫瘍の根っこから綺麗に取れたかどうかの結果によるけど、この施術法で断尾を免れた世界線にモイがいることが現時点では一番よかったと思う。
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八百万の神に守られたモイのキャリーバッグ。

それからエコーの画像解析を待つこと10分ほど。先生が待合室へやってきて、「何の問題もなし、すべて順調。あとは16日の病理組織検査の結果と2週間後の抜歯」と。可能なら16日も傷口をチェックしたいと言われるが、「このまま順調に回復するようであればその日はモイは連れてこなくてもいいですか?」と聞くと「順調かどうかはこちらで判断したいので、でしたら前日に患部の画像を送ってください、それを見て判断しましょう。何時でもいいのでメールください」と名刺を渡される。お忙しいだろうにきめ細かな対応にこれが名医と言われる所以かなと思う。
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帰宅後、画像診断書を読むと、「腹部に肥満細胞腫の浸潤を疑う所見はありませんが、肝臓や脾臓の肥満細胞腫浸潤は画像検査で異常を検出されない場合も多いため、臨床上の必要に応じ生検をご検討ください。右腋高リンパ節(短径4mm)は対側(3mm)と比較してわずかに大きいが術後2日目であり、反応性過形成の範疇ですが、念の為フォローアップをお勧めします。両側腎臓の多発性陳旧性梗塞。」などと書かれていた。最後の陳旧性梗塞とはかつてリンパ腫の抗がん剤治療時に傷んだ腎臓の古傷のことのようだ。それ以外にも文章的には注意点が複数あるわけだけど、先生が「問題なし、順調」と言い切るのだからそれを信じ乗っかっていこう。

あとは、患部がどちらもモイの口が容易に届く場所なので、舐めたり縫った糸をかじりとったりして想定外の回復遅れがないように日々見守っていくことだな。必要を感じたらエリザベスカラーを着けよう。
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帰宅後しばらく疲れていたモイも夜になると元気になり、また冷蔵庫の上に登った。傷口にバイ菌が入らないようにちゃんと冷蔵庫の上の埃は拭いておいた。むき出しになった尻尾がちょっと気になるようで舐めたりブンブン振ったりしている。早く慣れて気にしなくなれ。

ウニとの関係も早く修復してほしい。そしてむしろ前より仲良くなってくっついて寝たりすればいいのに。



 

8日夜、180mlの皮下輸液。自宅での補液は4年半ぶりだったけど2年半も続けていたのでモイも身体が覚えているのか身体を保定したらおとなしくしてくれた。22時から絶食開始。
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9日、朝6時半に抗不安薬(抗てんかん薬)ガバペンチン投与。8時に家を出る。車中で薬が効きはじめたのか、少しだけ口が開き、ぼーっとした感じもあったが、キャリーから上半身を乗り出し車窓を楽しむなどいつもの通院時とさほど変わらず。
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9時に病院着。「今日は手術2.5の予定です。1つは手、1つは尻尾、0.5は可能であれば歯石とり」と先生が手際よく確認をとり、術前検査のための採血。
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猫専用待合室で待つこと10分ほどで血液検査の結果が出る。赤血球(RBC)やヘマトクリット値(HCT)がやや低いことから非再生性貧血が疑われるとの指摘。炎症などで慢性的に出血しているような状態だろうと。やはり膵炎の影響もあるのだろうか。聞いた感じ多分これも治りづらい症状なんだろうな、今後の懸念材料になりそう。でも全般的に数値は手術できないほどの状態ではないとの判断で予定通りモイを預け10時頃病院をあとに。
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会計カウンターの壁に「麻酔器、新調しました。人工呼吸器が付属した人の全身麻酔でも使用されるもので麻酔からの覚醒が速やかです」という手書きの案内を見つけ、ちょっと安心する。

病院ではその後X線画像検査が行われ、点滴がされ、13時に外来の腫瘍外科医の先生により手術が開始された模様。

病院から近い初めての街のショッピングモールで夕方5時まで待つことに。7年前リンパ腫闘病中もよくこうやって街で待っていた。さすがに7時間は長いなと思ったけど意外と時間が経つのは早い。

15時10分、先生から携帯電話に着信。ザワザワしたショッピングモールの中で耳に全集中する。「無事手術が終わりモイちゃん目覚めています。」「手術中にちょっと不整脈が出たので歯石は取れませんでした。」と。大きな安堵と一抹の不安が。不整脈ってどういうことだろう。迎えに行った時に詳しく聞かなければ。

17時、病院へ。この病院は猫待合室と処置室が扉一枚なので、開いた扉の向こうに点滴を刺したまま入院用ケージに入っているモイが視界に入った。

瞳孔が完全に開いていて、全体が緑色に見える瞳で一点をぼーっと見つめている。見つめているというよりただ目が開いているだけの状態。麻酔がまだ効いているようで視線は合わないし意思の疎通はできない。「モイ!がんばったね!」「モイ、迎えに来たよ」「モイ!モイちゃん!」呼びかけへの反応も皆無。

先生がモイを診察室へ運んでくる際、ウーウーと聞いたことのない唸り声を出すモイ。でもまったく力強さはない。寝言で唸っているような声。診察台に乗せてもまだ力が全然入らず立つことはできない。右前肢には血が滲み4針ほど縫った糸の先が無造作に逆だっていて痛々しい。尻尾は術部を完全にテーピングされた状態で、かろうじて残された先っぽの毛がお侍さんのようにも見えてちょっと可愛い。しかし毛がないとこうも細いんだな尻尾って。

手術は右前肢の肥満細胞腫、尻尾の毛芽腫の順に切除されたそうで、尻尾の方がやはりデリケートで全体で1時間ちょいの手術だったそうだ。尻尾は目指していた減張切開での縫合ができたとのこと。よかった。麻酔の影響と思われる不整脈はたまに起こることのようで、意識が戻ってからはその兆候はない、と。

2か所の手術自体はうまくいったようだが、麻酔からの覚醒が想定より遅いのが気になる様子の先生。「ひょっとしら今朝飲んだガバペンチンが麻酔によってブーストして今はそれが効いているのかも」と。先生が断定的な物言いではないとこちらも俄然不安になる。

「どうされますか?帰宅し家でゆっくり様子をみてもらうか、不安であれば点滴を継続し一泊入院していただくことも」と聞かれたが、この時点でモイはくたーっとまったく力が入っておらず呼びかけにもまったく反応しないのでどうするべきが判断できない。入院に向かない性格のモイをできれば連れて帰りたいが、この状態だと家で何が起こるか分からない。迷っていたら、「ではもうしばらくここでこのまま様子をみてみましょう」とふたつある診察室のひとつをモイと僕ら家族だけにしてくれた。

それから1時間ずっとモイを抱っこして名前を呼び続けるが反応はない。たまに床に下ろすと歩きたそうにはしているが手足とも力が入らずぐねぐね倒れそうに転がっているような状態。とくに下半身は力が入らず腰が抜けたようになっている。全身麻痺といってもいいような状態だが右手だけはさっき診察室に来てから先生が巻いてくれたガーゼが気になるようで時おり激しく振り出す。

映画「カッコーの巣の上で」での廃人にされたジャック・ニコルソンの演技が脳裏に浮かぶ。見た目はモイなのに、まったくの抜け殻のような、心を通わすことができない物体だけがある恐怖。
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光明があるとすれば先生と看護師さんが診察室に居た時はウーウー唸っていたが家族だけになった時からそれが止んだこと。その一点だけでもモイが僕らを感じてくれている気がして少し安堵した。

入院したとしてもこの病院には夜間人がいなくなるということが分かったので、連れて帰る決意をした。もしも家で何か不測の事態が起きた時のために夜間の緊急外来の情報も教えていただいた。その際に役立つだろうとオペの記録用紙をコピーしてくれた。分単位で処置の内容や麻酔のこと脈数などが書いてあるっぽいが専門的で簡単には読解不能。手術がきめ細かに行われたことだけは分かる。

術後用にもらった抗生剤(リレキシペット)と消炎鎮痛剤(メタカム)、それからもし明日になっても何も飲み食いできなかった時のための輸液セットも追加してもらい18時過ぎに病院をあとに。
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帰路はすっかり暗くなっていたが家が近づくと少し意識が戻ったのか、おぼつかないながら必死にキャリーから身を乗り出し流れる景色をぼーっと見つめたモイ。

19時過ぎに帰宅。

家に帰ってもぐたっとしまだ立つことができないモイ。モイの異変を察知したウニは警戒ししばらく寝室から出てこない。
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クッションの上でしばらく横になるモイ。でも完全に眠れないのか目は軽く開いたまま。1時間ほどしてトイレに行きたくなったのか動きだそうとするが未だに力が入らず陸に打ち上げられた魚のように身をよじりながら廊下を歩く。なんとかトイレに片足だけ入れて透明のオシッコをした。

麻酔から覚めるのにさすがに時間がかかり過ぎているような気がして「麻酔 後遺症 下半身麻痺」など検索して余計に不安が募る。

21時7分 背中を撫でると初めてゴロゴロとかすかに喉を鳴らしはじめた。不調の時にもゴロゴロいうらしいけれどとにかくリアクションらしきものがあっただけでも少し安心した。SNSを通して気にかけてくれている方も沢山いるのでひとまずインスタだけ簡単に更新。

もらってきた抗生剤は夜ご飯の後からということだったが、まだまだ意識が朦朧としているこの状態でご飯を食べるのは危険と思い本人もそんなに食べたそうにもしていないので様子をみることに。

夫婦で交代で様子を見ることにし、23時、僕は仮眠。

10日午前1時に目が醒める。妻はモイの側につきっきりだった様子。ずっとキャリーケースの中で休んでいるモイ、1時間くらい前にようやくウェットフードの水分だけを舐めたそうだ。その後も30分に1度くらいキャリーから出てきてはウェットフードを一口だけ食べる。だんだん固形部分も食べるようになってきた。足元も徐々にしっかりしてきて歩けるようになってきた。数時間前は下半身不随になってしまったら、、、と良からぬことを考えてしまったが、どうやらそれはなさそうだ。すごく安心した。

ただ午前4時現在まだ大人しすぎるモイ。呼びかけると軽く耳が動くようになったのが救い。覚醒しきっていないおかげなのか手や尻尾を気にする様子はない。そういえば尻尾はまだ動いていないような気がする。結局、交代で夜通しモイの様子を見た。ウニも情緒不安定なのか珍しく吐いた。
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今回、歯石取りはできなかったけど、こんな様子では改めていつか麻酔をかけてという気にもなれない。それに不整脈があったというのも怖すぎる。現時点では懸念ばかりが残っているけれど、2ヶ所の腫瘍を運良く同時期に見つけ割と早期(と思いたい)に切除できたことはよかったと思う。切除した部分の病理組織検査は1週間後には結果が出るらしい。どうか根っこから綺麗に取れていますように。

明日はいよいよモイの手術。手術のなにが怖いってやっぱり全身麻酔することが一番気がかり。モイは去勢手術以来の全身麻酔になる。リンパ腫闘病では何回も鎮静剤を打ったが全身麻酔は実はしていなかった。先日ウニも歯のスケーリングで全身麻酔をしたがモイの大病後の麻酔はなんだかどうしても不安になってしまう。

定期的に波が来る膵炎での不調に手術予定日が当たってしまうと多分血液検査次第では手術延期になってしまうかもしれないのでそのことも気がかりでこの一週間過ごしていた。何度か吐いたが幸い膵炎からくるものではなさそうだし、今のところそこそこ元気なのでよかった。

尻尾と右前肢の2か所を同時に切除する手術になるが、せっかく麻酔をかけるならと「もし可能ならでいいんですが、歯石取りもやってもらえないでしょうか?」と先週の通院時に相談してみた。

「歯の表面を削って済むような簡単なものなら一緒にできるかもしれませんが、抜歯を伴うような場合は麻酔との関係で一緒にできるかどうかはお約束できません。」ということだった。

やっぱりそうだよね、それくらい麻酔の量や時間はシビアってことなんだろう。それを聞いて余計不安になってしまった。

それでもいける場合もあるのでということで手術3日前からモイに抗生剤を飲ませておくことになった。ビルデンタマイシンという抗生剤を6日の朝から1日2回飲ませている。

これも先生の指示だが、今日はこの後、自宅で皮下輸液も150mlほどする予定。久しぶりだけど長年やっていたので大丈夫だろう。

そして夜10時以降は絶食。これが一番大事で、食いしん坊のモイにとっては一番辛く長い夜のはじまり。

明日は朝6時にガバペンチンという抗不安薬(てんかん用の薬みたい)を飲ませることになっている。通院時にはひょっとしたら少しぼーっとした状態になるかもしれない。この薬も初めてなのでちょっとだけ不安。

あとは、神頼み。今日は先代マルオのお墓に行ってモイを見守ってくれるようにお願いしてきた。絵馬や護摩木も書いた。御守も手に入れた。モイのことを気にかけてくださっている皆さんからいただいた御守も付けられるものはキャリーケースに付けた。

明日は9時に病院へ行く予定。手術がうまくいき麻酔からうまく醒めてくれたら当日帰りできるが、状況によっては一泊入院もあるかもと言われている。

7年前リンパ腫で入院した際は最初の抗がん剤投与のために一週間の予定だったがモイは僕らの元を離れるとよっぽどご機嫌を損ねるらしくご飯もまったく食べなくなるようで「この子は入院には向いてない」と2泊で返された。だからなるべく明日も当日帰りできることを願っている。

なにはともあれ手術が成功し、ちゃんと麻酔から醒めてくれますように。モイ、長い一日がはじまるけどがんばろうね。 
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2017年4月リンパ腫から復調しだした頃のモイ。この大きな尻尾で奇跡を呼び込んだのかもしれない。明日も頼むよ。
 

2日の朝、先週の細胞診の結果を聞くために病院へ。モイが同行しなくても車での1時間はぴりっとした緊張感に包まれた。

「想定内でした」と 、「診断 右前肢腫瘤:肥満細胞腫 尾部腫瘤:毛芽腫が第一に考えられる」と書かれた外注の細胞診診断書を見せてくれた先生。所見の欄には「細胞診で毛芽腫は悪性のものと明確に鑑別することが困難なことがあり、可能であれば切除による病理組織検査を行うことが勧められます。」と書いてあったが、先生は「尻尾は良性の毛芽腫、足は肥満細胞腫でした」と説明してくれた。「肥満細胞腫は悪性ですか、良性ですか?」と聞いたら「肥満細胞腫は基本的にはすべて悪性です。ただ早期3mm程度のものであれば良性と同じ挙動をとるので切除で根治可能です」と、ここまでは前回までの認識と同様の説明だった。

この想定内の結果を受け、手術で2か所同時に切除するという意思は固まっていた。先生もそのつもりで早速、具体的な施術法の説明に入る。

前足のできものはもし指の上だったら指ごと切らなくてはいけなかったかもしれず、少しずれて手の甲の上でよかった。ここならまだ最小限に切除すれば皮膚を寄せて縫合もできるだろうと。

問題は尻尾で、こちらも良性であることを前提に筋膜の上で最小限に切除すれば「縫えるかもしれない」と。ただ断定はできないので、、と机の中からりんごの保護ネットを取り出す先生。
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「減張(げんちょう)っていうんですけど、皮膚を無理やり縫合できたとしても切れてしまったり血が流れず虚血してしまう恐れがあるため、尻尾の毛を360度剃って皮膚にメッシュ状の穴を開けて張力を弱める施術です。尻尾なので皮弁も伸展も難しいかもしれない、ただこの減張ならできるかもしれない」とネットを広げながら皮膚の術後の状態を可視化してくれる先生。なんだかお茶目。

「ただすごく繊細でデリートな手術になるので僕はやらずに僕が最も信頼している医療センターの外科医を呼んで手術してもらおうと思います。僕の動物を切る場合は必ず頼みたいくらいの先生です」と、「で、早速ですが、来週9日なら彼に来てもらえるのですが、そこで手術でいいすか?」と、なんとも急な展開だけど、このスピードも重要なファクターかもしれない。

実は先週の相談で11日に超音波診断の専門医に来てもらって内臓系の持病などをチェックしましょうと打ち合わせていた。セオリー的に言えば、それを踏まえた上で手術の段取りをとる方がベターなんだろうけど、多忙な外科医のスケジュールを優先させ、先ず来週手術、後日、体力が戻ればエコーという流れでもいいのではないかということに。

今回の方針は、腕のある外科医に丁寧に切除手術してもらい、なるべく肉体的な見た目を損なわないということだと思うので、懸念される点があるとすれば、ギリギリでの切除になるが故にもしも腫瘍の根っこを取り損ねてしまったら追加の治療(断尾も含む再手術か、抗がん剤治療+アルファ)が必要になる可能性があるということ。それはホームドクターの最初の指摘にもあった、二度手間になるかもしれないので断尾も有効な選択肢という考え方にも既に表されていた。
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モイの体力やいろんなことを思うともちろん不安もたくさんあるけれど、なんとも頼もしいこのエキスパート同士の連携を信じてお任せすることにした。
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というわけでモイは9日に尻尾と前脚のしこりを取る手術をすることになった。前日、自宅で皮下輸液をし、当日通院の3時間前にガバペンチンというリラックスする薬を飲んで病院へ向かう。病院では追加で輸液や血液検査などをし麻酔リスクなどを判定後、手術することになるだろう。
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なにより、モイが麻酔から醒めた先に病から解放された健やかな生活が待っていることを願っている。
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