8回目の免疫細胞療法。2週間かけ培養したリンパ球を戻しに病院へ。この病院へ通うのは今日で30回目(他の病院も合わせると44回)。車窓がなかなかよい。モイの目線で見るとこんな感じかな。


通院自体に少し余裕が出てきたのでこんな動画も撮ることができた。春は桜並木が綺麗だったけれど、また来春、その景色を見る前に病院は卒業していたいところだ。もちろん病気を治して。
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今日は抗がん剤を投薬するわけではないので、腎臓の値は気になるところだが、血液検査はしなかった。毎週毎週、血液検査のために首の静脈から採血するのも可哀想だし、少量とはいえ血ももったいない。

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【超音波検査】

エコーは通院する度にほぼかかさず見てもらっている。画像診断しやすいところに病巣があるのはラッキーとも言える。

抗がん剤クロラムブシル投与からまた一週間が経ったので、少し期待していたのだけれど、残念ながら今日も回腸にある黒い影は消えていなかった。ただ先週よりさらに薄くなっているようには見えた。プローブをあてる角度によっては腸壁の正常な5層構造が繋がっているようにも見える。先生は黒い影が映る角度をあえてがんばって探し出しているようにさえ思える。

7月末に病巣が確認できなくなり一時的に寛解状態になったものの、5月あたりから一貫して腸の病巣は悪化することも消えることもなくずっと同じような大きさ(エコー画像で3mm幅くらい)で見えている。
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独自にグラフ化した腫瘍の大きさ変遷

モイの病名は「低分化型B細胞型消化管型リンパ腫」だ。改めてリンパ腫の低分化型と高分化型の違いをメモしておきたい。先ず、呼び方がいろいろあって紛らわしいので整理すると、

【低分化型】=
  • High Grade
  • 高グレード
  • 高悪性度
  • 大細胞性
  • リンパ芽球性
  • 前駆細胞由来
【高分化型】=
  • Low Grade
  • 低グレード
  • 低悪性度
  • 小細胞性
  • 成熟細胞由来
注:にわかなので正確性は保証できかねます。

骨髄細胞が分化して小さくなりリンパ球へと成長する過程のどの段階でがん化したかによって分別される。リンパ芽球という比較的に早い段階でがん化したものが低分化型、それに対し成熟しリンパ球になった状態でがん化したものが高分化型。つまり低分化型はまだ発展途上なのでがんの進行も早く、高分化型は成熟しているのでがんの進行が緩やか。中分化型という中間のやつも存在する。

また、リンパ芽球が主に胸腺で成熟したものがT細胞(Tリンパ球)、それ以外の臓器で成熟したものがB細胞(Bリンパ球)と分類されるそう。

そんなわけで低分化型リンパ腫は進行が速い。「無治療での生存期間は2週間から10週間」と改めてネット検索で出てきてビビる。それゆえ病気に気付く時期も重要で気付くのが遅ければ1週間で亡くなるということもあるのだと思う。

話がまわりくどくなったけれど、そんな進行の速い病名を告げられモイが2月3月になんとか危機を脱し、その後4~5ヶ月近く同じ状態で居ることが不思議といえば不思議で、今日先生にこんな質問をしてみた。

「低分化型から途中で高分化型に変わることはあるんですか?」

先生曰く、「逆はしばしばあります。あるいは、高分化型の治療中にそれとは別のところに低分化型ができることもあります。ただ低分化型が高分化型に変わるということは僕は聞いたことがないです。通常、腫瘍は悪性度が上がることはあっても下がることはないものです。」と。さらに、「モイちゃんが体調を維持して今のこの状態を推移しているのは猫の腸に発生する低分化型リンパ腫の症例としてはあまりない展開と言えます。はっきりとは言えませんが、近藤さんが行われているサプリメントや丸山ワクチンやリンパ球療法が総合的に作用しているのかもしれません。悪性度を下げるとまでは言わなくても進行を緩める作用をしている、という印象は受けます。」とのこと。

ふむふむ。やっぱり先生もこの総力戦が功を奏していると内心思ってくれているってことかな。そうか、あまりない症例かあ。もしモイがまた寛解して、長期寛解して、数年経ち、完治と言われる日が来たら、これは先生に論文でも書いてもらわないとな。

【免疫細胞療法】
昼間モイを預け、夕方迎えに。今回のリンパ球は「3億個弱」に増えていた。この治療もどの程度効いているのか、なんとも分からないのだけど、今の総力戦でやっと腫瘍と拮抗した状態にあると考えると、何ひとつ手を緩めるわけにはいかない。モイの体力と相談しながら今後も注意深く見守っていかねば。
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秋分の日を過ぎ帰りは夕陽に映える並木。

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お約束、帰宅後のウニチェック。