ワクチンといえば、
モイは丸山ワクチンを4年前の春からずっと打ち続けている。丸山ワクチンは、結核患者にがんが少ないことに気づいた丸山教授が結核菌から抽出したもので、がんに対抗する免疫を活性化させたり、コラーゲンを増殖させがんを封じ込める効果があるとされている。
同時期に始め19年末まで続けていた活性化リンパ球療法と、素人から見たら基本的には同じで、どちらも免疫細胞にがんばってもらうことで間接的にがんを攻撃、もしくは共存する、免疫療法の一種だ。
抗がん剤のように直接がん細胞を攻撃するわけではないので効果もそれなりで、当時、主治医に「あまり一度にいろんな療法を試すと、何が効いて何が効いてないのか判断できなくなるので、段階的な導入をお薦めします」と言われたのだけど、目の前にいる我が子があと一ヶ月、下手したらあと一週間しか生きられないかもしれないという状況下で「可能性があることはすべてやりたいです」とお願いする以外の考えはなかった。
丸山ワクチンもリンパ球療法も副作用はほぼないとされているが、リンパ球療法の日は通院疲れもあってか、モイの鼻の色からすると微熱が出ていたようだ。3年間で20回もよくがんばったね。丸山ワクチンは自宅でできるし見ているかぎりほぼ副作用は感じられない。最初の3年間は2日に1回、今は週2回、月曜にA剤、木曜にB剤を注射している。来春、減薬、離脱に向けての舵を切ることになりそうだ。今はまだ慎重に免疫の底上げをして潜んでいるかもしれない敵の付け入る隙を与えないという段階。