moi moi moi !!

愛猫モイ(mix 2015.4.8~ ♂去勢済)が消化器型リンパ腫と診断されたのは2017年が始まったばかりの冬、1歳9ヶ月の時でした。その日から一変したモイとの生活、闘病と友情の日々。

カテゴリ:モイ > 皮下輸液、鎮静剤、他

8日夜、180mlの皮下輸液。自宅での補液は4年半ぶりだったけど2年半も続けていたのでモイも身体が覚えているのか身体を保定したらおとなしくしてくれた。22時から絶食開始。
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9日、朝6時半に抗不安薬(抗てんかん薬)ガバペンチン投与。8時に家を出る。車中で薬が効きはじめたのか、少しだけ口が開き、ぼーっとした感じもあったが、キャリーから上半身を乗り出し車窓を楽しむなどいつもの通院時とさほど変わらず。
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9時に病院着。「今日は手術2.5の予定です。1つは手、1つは尻尾、0.5は可能であれば歯石とり」と先生が手際よく確認をとり、術前検査のための採血。
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猫専用待合室で待つこと10分ほどで血液検査の結果が出る。赤血球(RBC)やヘマトクリット値(HCT)がやや低いことから非再生性貧血が疑われるとの指摘。炎症などで慢性的に出血しているような状態だろうと。やはり膵炎の影響もあるのだろうか。聞いた感じ多分これも治りづらい症状なんだろうな、今後の懸念材料になりそう。でも全般的に数値は手術できないほどの状態ではないとの判断で予定通りモイを預け10時頃病院をあとに。
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会計カウンターの壁に「麻酔器、新調しました。人工呼吸器が付属した人の全身麻酔でも使用されるもので麻酔からの覚醒が速やかです」という手書きの案内を見つけ、ちょっと安心する。

病院ではその後X線画像検査が行われ、点滴がされ、13時に外来の腫瘍外科医の先生により手術が開始された模様。

病院から近い初めての街のショッピングモールで夕方5時まで待つことに。7年前リンパ腫闘病中もよくこうやって街で待っていた。さすがに7時間は長いなと思ったけど意外と時間が経つのは早い。

15時10分、先生から携帯電話に着信。ザワザワしたショッピングモールの中で耳に全集中する。「無事手術が終わりモイちゃん目覚めています。」「手術中にちょっと不整脈が出たので歯石は取れませんでした。」と。大きな安堵と一抹の不安が。不整脈ってどういうことだろう。迎えに行った時に詳しく聞かなければ。

17時、病院へ。この病院は猫待合室と処置室が扉一枚なので、開いた扉の向こうに点滴を刺したまま入院用ケージに入っているモイが視界に入った。

瞳孔が完全に開いていて、全体が緑色に見える瞳で一点をぼーっと見つめている。見つめているというよりただ目が開いているだけの状態。麻酔がまだ効いているようで視線は合わないし意思の疎通はできない。「モイ!がんばったね!」「モイ、迎えに来たよ」「モイ!モイちゃん!」呼びかけへの反応も皆無。

先生がモイを診察室へ運んでくる際、ウーウーと聞いたことのない唸り声を出すモイ。でもまったく力強さはない。寝言で唸っているような声。診察台に乗せてもまだ力が全然入らず立つことはできない。右前肢には血が滲み4針ほど縫った糸の先が無造作に逆だっていて痛々しい。尻尾は術部を完全にテーピングされた状態で、かろうじて残された先っぽの毛がお侍さんのようにも見えてちょっと可愛い。しかし毛がないとこうも細いんだな尻尾って。

手術は右前肢の肥満細胞腫、尻尾の毛芽腫の順に切除されたそうで、尻尾の方がやはりデリケートで全体で1時間ちょいの手術だったそうだ。尻尾は目指していた減張切開での縫合ができたとのこと。よかった。麻酔の影響と思われる不整脈はたまに起こることのようで、意識が戻ってからはその兆候はない、と。

2か所の手術自体はうまくいったようだが、麻酔からの覚醒が想定より遅いのが気になる様子の先生。「ひょっとしら今朝飲んだガバペンチンが麻酔によってブーストして今はそれが効いているのかも」と。先生が断定的な物言いではないとこちらも俄然不安になる。

「どうされますか?帰宅し家でゆっくり様子をみてもらうか、不安であれば点滴を継続し一泊入院していただくことも」と聞かれたが、この時点でモイはくたーっとまったく力が入っておらず呼びかけにもまったく反応しないのでどうするべきが判断できない。入院に向かない性格のモイをできれば連れて帰りたいが、この状態だと家で何が起こるか分からない。迷っていたら、「ではもうしばらくここでこのまま様子をみてみましょう」とふたつある診察室のひとつをモイと僕ら家族だけにしてくれた。

それから1時間ずっとモイを抱っこして名前を呼び続けるが反応はない。たまに床に下ろすと歩きたそうにはしているが手足とも力が入らずぐねぐね倒れそうに転がっているような状態。とくに下半身は力が入らず腰が抜けたようになっている。全身麻痺といってもいいような状態だが右手だけはさっき診察室に来てから先生が巻いてくれたガーゼが気になるようで時おり激しく振り出す。

映画「カッコーの巣の上で」での廃人にされたジャック・ニコルソンの演技が脳裏に浮かぶ。見た目はモイなのに、まったくの抜け殻のような、心を通わすことができない物体だけがある恐怖。
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光明があるとすれば先生と看護師さんが診察室に居た時はウーウー唸っていたが家族だけになった時からそれが止んだこと。その一点だけでもモイが僕らを感じてくれている気がして少し安堵した。

入院したとしてもこの病院には夜間人がいなくなるということが分かったので、連れて帰る決意をした。もしも家で何か不測の事態が起きた時のために夜間の緊急外来の情報も教えていただいた。その際に役立つだろうとオペの記録用紙をコピーしてくれた。分単位で処置の内容や麻酔のこと脈数などが書いてあるっぽいが専門的で簡単には読解不能。手術がきめ細かに行われたことだけは分かる。

術後用にもらった抗生剤(リレキシペット)と消炎鎮痛剤(メタカム)、それからもし明日になっても何も飲み食いできなかった時のための輸液セットも追加してもらい18時過ぎに病院をあとに。
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帰路はすっかり暗くなっていたが家が近づくと少し意識が戻ったのか、おぼつかないながら必死にキャリーから身を乗り出し流れる景色をぼーっと見つめたモイ。

19時過ぎに帰宅。

家に帰ってもぐたっとしまだ立つことができないモイ。モイの異変を察知したウニは警戒ししばらく寝室から出てこない。
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クッションの上でしばらく横になるモイ。でも完全に眠れないのか目は軽く開いたまま。1時間ほどしてトイレに行きたくなったのか動きだそうとするが未だに力が入らず陸に打ち上げられた魚のように身をよじりながら廊下を歩く。なんとかトイレに片足だけ入れて透明のオシッコをした。

麻酔から覚めるのにさすがに時間がかかり過ぎているような気がして「麻酔 後遺症 下半身麻痺」など検索して余計に不安が募る。

21時7分 背中を撫でると初めてゴロゴロとかすかに喉を鳴らしはじめた。不調の時にもゴロゴロいうらしいけれどとにかくリアクションらしきものがあっただけでも少し安心した。SNSを通して気にかけてくれている方も沢山いるのでひとまずインスタだけ簡単に更新。

もらってきた抗生剤は夜ご飯の後からということだったが、まだまだ意識が朦朧としているこの状態でご飯を食べるのは危険と思い本人もそんなに食べたそうにもしていないので様子をみることに。

夫婦で交代で様子を見ることにし、23時、僕は仮眠。

10日午前1時に目が醒める。妻はモイの側につきっきりだった様子。ずっとキャリーケースの中で休んでいるモイ、1時間くらい前にようやくウェットフードの水分だけを舐めたそうだ。その後も30分に1度くらいキャリーから出てきてはウェットフードを一口だけ食べる。だんだん固形部分も食べるようになってきた。足元も徐々にしっかりしてきて歩けるようになってきた。数時間前は下半身不随になってしまったら、、、と良からぬことを考えてしまったが、どうやらそれはなさそうだ。すごく安心した。

ただ午前4時現在まだ大人しすぎるモイ。呼びかけると軽く耳が動くようになったのが救い。覚醒しきっていないおかげなのか手や尻尾を気にする様子はない。そういえば尻尾はまだ動いていないような気がする。結局、交代で夜通しモイの様子を見た。ウニも情緒不安定なのか珍しく吐いた。
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今回、歯石取りはできなかったけど、こんな様子では改めていつか麻酔をかけてという気にもなれない。それに不整脈があったというのも怖すぎる。現時点では懸念ばかりが残っているけれど、2ヶ所の腫瘍を運良く同時期に見つけ割と早期(と思いたい)に切除できたことはよかったと思う。切除した部分の病理組織検査は1週間後には結果が出るらしい。どうか根っこから綺麗に取れていますように。

明日はいよいよモイの手術。手術のなにが怖いってやっぱり全身麻酔することが一番気がかり。モイは去勢手術以来の全身麻酔になる。リンパ腫闘病では何回も鎮静剤を打ったが全身麻酔は実はしていなかった。先日ウニも歯のスケーリングで全身麻酔をしたがモイの大病後の麻酔はなんだかどうしても不安になってしまう。

定期的に波が来る膵炎での不調に手術予定日が当たってしまうと多分血液検査次第では手術延期になってしまうかもしれないのでそのことも気がかりでこの一週間過ごしていた。何度か吐いたが幸い膵炎からくるものではなさそうだし、今のところそこそこ元気なのでよかった。

尻尾と右前肢の2か所を同時に切除する手術になるが、せっかく麻酔をかけるならと「もし可能ならでいいんですが、歯石取りもやってもらえないでしょうか?」と先週の通院時に相談してみた。

「歯の表面を削って済むような簡単なものなら一緒にできるかもしれませんが、抜歯を伴うような場合は麻酔との関係で一緒にできるかどうかはお約束できません。」ということだった。

やっぱりそうだよね、それくらい麻酔の量や時間はシビアってことなんだろう。それを聞いて余計不安になってしまった。

それでもいける場合もあるのでということで手術3日前からモイに抗生剤を飲ませておくことになった。ビルデンタマイシンという抗生剤を6日の朝から1日2回飲ませている。

これも先生の指示だが、今日はこの後、自宅で皮下輸液も150mlほどする予定。久しぶりだけど長年やっていたので大丈夫だろう。

そして夜10時以降は絶食。これが一番大事で、食いしん坊のモイにとっては一番辛く長い夜のはじまり。

明日は朝6時にガバペンチンという抗不安薬(てんかん用の薬みたい)を飲ませることになっている。通院時にはひょっとしたら少しぼーっとした状態になるかもしれない。この薬も初めてなのでちょっとだけ不安。

あとは、神頼み。今日は先代マルオのお墓に行ってモイを見守ってくれるようにお願いしてきた。絵馬や護摩木も書いた。御守も手に入れた。モイのことを気にかけてくださっている皆さんからいただいた御守も付けられるものはキャリーケースに付けた。

明日は9時に病院へ行く予定。手術がうまくいき麻酔からうまく醒めてくれたら当日帰りできるが、状況によっては一泊入院もあるかもと言われている。

7年前リンパ腫で入院した際は最初の抗がん剤投与のために一週間の予定だったがモイは僕らの元を離れるとよっぽどご機嫌を損ねるらしくご飯もまったく食べなくなるようで「この子は入院には向いてない」と2泊で返された。だからなるべく明日も当日帰りできることを願っている。

なにはともあれ手術が成功し、ちゃんと麻酔から醒めてくれますように。モイ、長い一日がはじまるけどがんばろうね。 
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2017年4月リンパ腫から復調しだした頃のモイ。この大きな尻尾で奇跡を呼び込んだのかもしれない。明日も頼むよ。
 

輸液を1日置きにして一週間。これまで1年4ヶ月ほど毎日モイの背中に注射針を刺してきたけれど、連日じゃなくなるだけでやっぱりだいぶ楽だ。

でも輸液をしない日でも薬とサプリは毎日これだけの量飲んでもらっている。
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シリンジの中身は煮出したチャーガ茶(カバノアナタケ茶)、磨り潰した整腸剤ビオイムバスター1T、AHCC、センダンの4種類をブレンドしたもの。それに皿の上の大きめのカプセルが腎臓用の乳酸菌アゾディル、その左が消化管運動促進剤プロナミド1/2T、それから先日の赤い毛玉を吐いて以来再開した胃薬ファモチジン1/4T。全7種類。これを毎晩。

これプラス隔日で皮下輸液。輸液はリンゲル液120mlで丸山ワクチンA剤B剤を交互に混ぜている。

まだ減らして一週間なので輸液しなかった日は、火、木、土の3日間だけだけど、やっぱり輸液しない日は少し自分から水を飲むことが2~3度ある。輸液を毎日していた頃は自分で水を飲むことはほとんどなかった。

これでひとまず2週間様子を見て、29日に通院した時に血液検査で腎臓の値を再度チェックしてもらう予定。大丈夫だといいなあ。

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父は今日の夕方無事に退院しました。2週間の予定が5日伸びたことになる。便秘以外の副作用はなかったらしいけれど、それでも4kgほど痩せているようでよっぽど辛かったんだろう。

また数日後にはR-CHOP療法の2クール目を通院で行う予定のようだけれど、体力大丈夫かなあ。耳が遠くないので電話で普通に話せるのはいい。入れ歯を外していると滑舌が悪くて言葉は聞き取りづらいけれど、「いわゆる〜〜」みたいな理屈っぽい話し方は昔とちっとも変わっていない。



毎日、自宅でモイへ皮下輸液をしだして一年が経った。愛猫に毎夜、来る日も来る日も注射針をさすことの重圧。責任。夜になると家中のストレスメーターが上がってくるのが分かる。それは日中どんなに楽しい日だったとしても決して逃れられない。

抗がん剤の影響で腎臓の数値が上がり出した昨春から主治医の指示に従い不定期(隔日だったり毎日だったり)で皮下輸液をはじめ、7月2日からはきっちり毎晩行ってきた。

120mlのリンゲル液を60mlシリンジ2本に吸い、そこに2日に1回は丸山ワクチンも混ぜ、そのシリンジに翼状針を着け、つまんで持ち上げた背中の皮膚に針をさし、中身をゆっくり押し込む。輸液が終われば、錠剤の飲み薬と独自にブレンドした液体サプリをシリンジで口から飲ませる。終わった後のご褒美のおやつタイプまでの一連のルーティン。いつも妻と二人がかりでやっている。

おかげでモイの腎臓の値は基準値を少し上回った辺りで微妙に上下しつつもこの1年維持している。基本的に腎臓は良くなることはないので、このまま腎機能を維持するためにはこれからも毎日輸液するのがベターだと思うけれど、この介護生活にも似た日々が例えばあと20年毎日続いたとして、果たして自分と妻はどこまでがんばれるのだろうか。せめて、ここしばらくの間だけでも2日に1回にできたらな。少しは気が楽になるのだけれど。

ご褒美のおやつがパブロフ化し、大人しく協力してくれていたモイも、最近はおやつに飽きたのか、また少し抵抗するようになってきた。全く同じルーティンでいつまでも通用するとも限らない。

世界中の猫のためにもAIM製剤に期待したい。

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……


トイレ難民生活も2ヶ月近く継続中。たまにシステムトイレや鉱物系の砂のトイレでしてくれることもあるが、まだ大も小もどこでするか分からない状態で、毎日、とくに帰宅後は家の中をクンクンとチェックして回る必要がある。幸か不幸かフローリングの床は黒い節目でいっぱいだ。悩める男、3才3ヵ月になったモイ。パパに似てしまったとこもあるのかな。

一昨日インスタグラムで毎日の投薬が大変だと書いた。励ましのコメントの中に「薬の準備中に猫が隠れてしまわないように先に抱っこして片手で準備します」というようなコメントも。モイの投薬にもそれが可能か薬の準備風景をビデオに収めてみた。うん、とてもじゃないけど難しそう。10倍速で1分ってことは、準備だけで10分もかかってる。


  1. テーブルを消毒
  2. 薬セットもろもろをテーブルに準備
  3. 皮下輸液するリンゲル液パックをレンジで人肌に温め、口を消毒
  4. 整腸剤ビオイムバスター1Tを磨り潰す
  5. サプリメント(カバノアナタケ茶1.5ml、AHCC1ml 、センダンα0.7ml)とともに混ぜ2.5mlシリンジに吸う
  6. 2日に1回の丸山ワクチン日はバイアル(この日はB)を消毒し1mlシリンジに吸う
  7. 60mlシリンジに丸山ワクチンを移した後、18G針を挿しリンゲル液を吸う
  8. 今は毎日120mlの皮下輸液をしているのでもう1本60mlシリンジにリンゲル液を吸う
  9. 最初に打つ方のシリンジに翼状針を挿す
  10. 消化管運動機能改善剤プロナミドと胃薬ファモチジンを小皿に出しておく
  11. アルコール綿、ティッシュを用意して準備完了
  12. 輸液はダイニングテーブルの上で行っているのでテーブルも綺麗に消毒して、これらのセットを移動

お薬タイムを察知し籠城するモイ

機会があれば「いざ投薬篇」もアップしたいと思います。

輸液と投薬は今はふたりがかりでやっている(先代マルオは大人しくしてくれたので妻ひとりでも可能だった)。実は明日から3泊の出張。モイの闘病が始まって4月に1泊して以来、2度目の留守。妻とモイだけでこれらの行程、とくに輸液は難しそうだ。その分、積極的に水を飲んでくれたらいいのだけれど。サプリだけでも飲んでくれたらいいな。

3泊のあいだ、何事もなく、モイが健やかに過ごせますように。 

8月末頃から一週間近く続いていた吐出(食後すぐの吐き戻し)傾向が9月3日の3回の吐出でピークに達したが、ブログを書いた途端にウソのように治まった。器を高くしたのがよかったのか、他にあまり思い当たることがないので多分そうなのかもしれない。

その記事を読んだ方から「器の形状を浅いものにしてヒゲが当たらないようにするとよりよいのでは」と送っていただいた器がある。ヘルスウォーターシリーズというようで、同封された説明書に「この器にすると猫が水を飲む量が増えることがある」と書かれている。試しに水を入れモイに差し出してみたら珍しく飲んだ。



珍しくというのは、モイはここのところ腎臓の値が上がりつつあるので、毎日皮下輸液を120mlずつしている。輸液をするとそれで水分が補われてしまうので、自分ではあまり水を飲むことがなくなった。元々猫は砂漠の生き物であまり水を飲まなくても大丈夫なようだけれど、ご存知のように腎臓を悪くしたり膀胱炎になったりするのでやはり最低限の水分は必要だ。自分では飲まなくても毎日かかさず過水和にならない適正量の輸液をしていれば大丈夫と先生は言っていたが、自力でこうやって飲んでくれる分には多分悪いことはないのかなと思う。ちょっと様子をみよう。

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毎晩の皮下輸液と飲み薬とサプリと食事が足りなかった時用の強制給餌のセット

モイは夜になるとしれーっとどこかに居なくなる。でも抱っこしてこのテーブルの前に連れてくると観念して大人しくしてくれる。背中に翼状針を刺しシリンジ2本分のリンゲル液を流し込むのに4~5分かけているだろうか。薬の経口投与もだいぶ慣れて失敗する確立はかなり減ってきた。

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黄色いシリンジに入っているのが強制給餌用に調合した「退院サポート+エナジー500+オメガ3オイル」なのだが、月曜日の血液検査で腎臓の値がまた少し上昇していたので、エナジー500の替わりに同じ森乳のチューブダイエット(猫用キドナ)に替えてみた。

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ところが、これに替えた途端にまた下痢をするモイ。実は以前も一回試してみた時もそうだった。エナジー500とそんなには成分も変わらないのになあ。

ひと月半続いていた軟便がやっと改善していたところだったので、これでまた調子を崩さないといいなあ。

猫ってほんとデリケートだなあ。




ここ最近のモイデータ。シリンジ給餌は2日前から中止。今日は口元まで持っていく愛情給餌もやめて完全に自力で食べる分だけにしてみて様子をみます。多分、摂取量はぐっと減るけど今のモイにはひと休みが必要なのかも。皮下輸液はリンゲル液120mlを朝夜2回。明日リンパ球を戻しに行った際、また血液検査をして腎数値をみてもらおう。


延期していた治療のため通院したモイですが、今日も血液検査の値が思わしくなく、抗がん剤はまた先送りに。

今日は違う先生だったけど、その先生が診てもエコー上での明らかな異常は見つからずとても安心した。ただ消化管の一部が少し黒く見えるのは相変わらず。すでに前回の抗がん剤から25日が経過していて、モイがハイグレード型(進行の速い)リンパ腫ということを考えると、驚異のキープ力。やっぱりもうこれは腫瘍ではなくて線維化したかさぶたのようなものと考えると、とてつもなく楽になる。早く楽になりたいので「あれはかさぶたなんだ」「もう腫瘍はないんだ」とたまに楽観しつつも、万全を期して手強い相手とどう向き合うかを常に考えている。そんな日々です。

今日も白血球は5100/uLと少なかった(分葉好中球2346/uL、リンパ球2652/uLなど)。これでは抗がん剤はリスクが高い。

さらに問題は、また腎臓の値が悪化していた。BUN(尿素窒素)が53.1mg/dL、CRE(クレアチニン)が2.6mg/dL。この4日間対策として皮下輸液の量を120ml/日に増やしていたのに、それでもこの上昇はちょっと心配。急性腎不全になってしまったのか。先生も原因がよく分からないそうだ。正常値だった6月15日から今日までのあいだに起きた変化は、

  • 餌がオリジン6フィッシュになりよく食べる
  • 合わせて強制給餌(退院サポート+エナジー500+オメガ3)も開始(1日平均60ml)
  • 整腸剤ビオイムバスター1錠/日をサプリに混ぜだした
  • プロナミド(消化管運動機能改善剤)を半錠/日で経口投与
  • ラキサトーンをたまに舐めさせている
  • 嘔吐はぐっと減った
  • これらの相乗効果で体重が600gほど増えた

腎臓に影響している明らかな要因は分からないが、急激に体重を戻し過ぎたことで何か負荷がかかっている気もするので、とりあえず強制給餌は止めてみよう。そして輸液は朝晩120mlずつ1日240mlに増やしてみよう。また来週月曜日に培養したリンパ球を戻しに行く予定なので、その時までに少しでも改善傾向が見られますように。そう短冊に書こう。

キッチンから料理をする音が聞こえてくると自然と猫たちが集まってくる。とくにモイはママがコツコツ、グツグツと料理をしている時に足元にまとわりつくのが大好き。ちょっとばかし危ないので結局僕も傍に行って見張りをすることになる。


5日連続で摂取カロリーが300kcal越え、今日は統計上初めて400kcal越えしたモイ。体重も5.2kgまで戻した。

さてそんな絶好調のなか、日付が変わりこれから朝までまた絶食だ。明日は通院日で先ずエコーを診て病状が悪化していないかぎりは抗がん剤はお休みして免疫細胞療法の採血だけをしてもらう予定だ。血液検査用の採血は細いゲージの針で済むが、リンパ球培養用の採血は12mlほど必要なため針が太い。その分モイも暴れる可能性があるので鎮静剤を使うことになってしまう(一度鎮静なしでトライしたが途中で暴れだし失敗してしまった経緯がある)。鎮静剤を使うということは少なくとも朝ごはんは抜いていった方がいい。薬が効いている間にもし嘔吐してしまったら肺に入ったりして大変なことになるからだ。せっかく食欲がある時はこの半日の絶食がとてももったいないのだけれど、何事も万全を期して望まなくてはいけない。

最近、夜中にカリカリをすごく食べてるモイ。今夜は我慢だモイ!

「なんで朝ご飯ないのー!ゴロニャ〜!」と甘え声で抗議するモイ。「今日また鎮静剤を使うから無意識下で吐いたら危ないからだよ」


通院する日は前回の通院から最も日が経っているという意味では復調して食欲もあり元気な状態であることが多いのだけど、そんな日にまたストレスをかけざるをえないことの葛藤よ。

モイが入院し、初めて抗がん剤を投与し、ここでお知らせしたあの日から4ヶ月が経ちました。この120日間、みなさんに支えてもらったことに改めて感謝いたします。


今日は抗がん剤ドキソルビシンを投与し免疫細胞療法用の採血も行う予定でしたが、直前の血液検査で分葉好中球、リンパ球をはじめとした白血球の値が低かったので延期になりました。鎮静剤を使う前提で昨夜から絶食したのに損したモイ。

超音波検査では病巣の大きさは先週と変わらず「維持している」状態。黒い影の見た目がほぼ変わらないので「先週と同じ腫瘍が残っている感じなんでしょうか?」と聞いてみたら「厳密に言うと細胞は入れ替わっているので先週あったものは無くなって、新しく分裂して増えてきた細胞がある感じでしょうね。」とのこと。うーん、怖いような怖くないような。ただ先生言うところの“積極的な治療(抗がん剤)”を行っていない週でも急激に増殖する細胞が停滞しているのだから考え方によってはすごい。

「白血球値は数日で戻るでしょう」とのことなので週の真ん中あたりに延期するか、思い切って一週間延期するかが悩みどころ。

帰宅途中「お腹空かして行ったのに〜」なモイ。
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日々詳細なメモをとっている嫁のモイノートをエクセルで一覧表にしたもの。キュ〜っと縮めた写真なのでただの模様にしか見えませんが、この4ヶ月の経過が絵に描いたように見てとれる。
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これまでの抗がん剤投与履歴。主に自分用です。

この4ヶ月間のモイの体重と摂取カロリー、癌の大きさの変遷をグラフ化してみました。摂取カロリーの棒線グラフで茶色くなっている部分は強制給餌をしていた期間。この時期が一番しんどかったなあ。腫瘍の大きさはエコー画像にあるA辺B辺を自前で掛け算して割り出したものですが、エコー画像自体、病巣の切り取り方や測り方が毎回厳密に同じわけではないので、この折れ線グラフもかなりアバウトで相当の誤差があるとは思います。それでも大きくなったり小さくなったりのだいたいのカーブは分かるかなあと。

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